一般眼科

  • おもな診療内容
  • おもな症状

屈折異常(近視・遠視・乱視・老眼)

正視:レンズにあたる水晶体の周りには小さな筋肉がついており、水晶体の厚みを変えることでピントを調節します。網膜に正常にピントが合う状態を正視といいます。

近視:ピントが合う位置が網膜より前になっている状態を近視といいます。近くにはピントが合うので見えますが、遠くはぼやけて見えにくくなります。

遠視:ピントが合う位置が網膜より後になっている状態を遠視といいます。近視と違い、遠くも近くもはっきりと見ることができません。

乱視:ピントが1箇所に集まらず、だぶって見えます。近視や遠視の組合せで起こる正乱視、角膜表面の凹凸で起こる不正乱視とに分けられます。

老眼:水晶体や毛様体筋が衰えて、ピントを調節する力が弱くなり、近くのものが見えにくくなる状態を老眼といいます。

  • 視力の低下や、現在ご使用の眼鏡が合わないと感じられたら、まずは眼科を受診してください。 屈折異常の他に隠れている病気がないか、早めに検査して原因を確かめましょう。 必要性があれば、メガネやコンタクトレンズで適切な矯正を行いましょう。

メガネ処方

ご希望の患者さまに、メガネの処方箋を発行しています。 問診・視力・眼圧などを測定し、その検査結果に合わせたレンズのメガネをしばらく掛けていただいて、不自由がないか試してもらいます。 特に問題がなければ、その度数で処方箋を発行します。メガネ店に処方箋を提出して、新しいメガネを作ってもらって下さい。

メガネの検眼レンズセット
メガネの検眼

結膜の病気

結膜は、白目の表面からまぶたの裏側まで覆っている半透明の粘膜です。

アレルギー性結膜炎:花粉などアレルギー物質が目の表面に付着して、炎症を起こす病気です。 目やまぶたがかゆくなったり、目が充血したり、目やにが出たりします。 特定の季節に発症する季節性アレルギー性結膜炎と年間を通して発症する通年性アレルギー性結膜炎があります。

ウイルス性結膜炎:目にウイルスが感染して、炎症を起こす病気です。 目が充血したり痛んだり、目やにが出たりします。 感染力がとても強いので「はやり目」とも呼ばれています。 感染予防のため、できるだけ目を触らないようにして、周囲の人に移さないよう心がけましょう。

角膜の病気

角膜は厚さ約0.5mmの透明な組織で、俗に「黒目」と呼ばれています

角膜炎(角膜感染症):角膜に細菌や真菌、ウイルスが付着して繁殖した状態です。 目が充血したり痛んだり、涙や目やにが出たり、視力が低下したりします。 コンタクトレンズの不適切な使用や、ドライアイによる乾燥が原因の場合があります。 重症の場合は、角膜穿孔を起こして失明したり、角膜に強い濁りが残って角膜移植が必要となることもあります。早めに眼科を受診してください。

角膜内皮障害:角膜は5層構造です。一番内側の角膜内皮は角膜の透明度を維持するためになくてはならない存在ですが、外傷や炎症で一度障害が起きると再生できません。むくみや痛みが重症の場合は、全層角膜移植術が必要となります。

網膜の病気

網膜は、ものを見るための神経の膜です。角膜・水晶体から入った光が網膜に当たると、網膜はそれを視神経経由で脳に伝え、その結果ものが見えるという仕組みです。

網膜剥離:何らかの原因で網膜に穴が開き、網膜が眼球の壁側からはがれる病気です。場合によっては失明します。 範囲が小さい場合には網膜レーザー光凝固で治療できますが、そうでない場合には手術が必要です。 北山眼科クリニックは大病院とも緊密な病診連携を取っていますので、手術が必要な場合は信頼できる医療施設をご紹介し、手術後は北山眼科クリニックで経過観察させていただきます。

糖尿病網膜症:血糖値の高い状態が長く続くと、網膜の細い血管は少しずつ損傷を受け、ぼやけたり、歪んで見えるようになったり、網膜剥離を起こすことがあります。自覚症状がない場合もありますので、糖尿病の患者さまは定期的に眼科で検査を受けるようにしましょう。

網膜静脈閉塞症:網膜の静脈(心臓に戻る血液を運ぶ血管)が詰まって出血し、急激な視力低下や突然の視野障害を発症します。治療は症状によって異なります。高血圧や動脈硬化が原因のことも多く、眼科と内科での検診もおすすめします。

中心性漿液性網脈絡膜症:視力とって最も重要な網膜の中央部「黄斑」に網膜剥離が発生する病気です。視力低下、視野の中心が暗く見える中心暗点、実際よりも小さく見える小視症、ものがゆがんで見える変視症が生じることがあります。いったん良くなっても再発することが多いので注意が必要です。

加齢黄斑変性:加齢や生活習慣などが原因で黄斑が損傷する病気です。失明に至ることもあります。ものが歪んで見えたり、一部が欠けて見えたりしたら、危険信号。すぐに眼科を受診してください。

白内障

症状:さまざまな原因で水晶体が濁る病気です。ものがかすんで見えたり、視力が低下したりします。 もっとも多い原因は、加齢による老人性白内障ですが、40歳代でも発症することがあります。 また、ケガ・病気・遺伝などが原因で発症することもあります。

対処:点眼薬や飲み薬で進行を遅らせることはできますが、悪化した場合には手術が効果的です。 北山眼科クリニックは大病院とも緊密な病診連携を取っていますので、手術が必要な場合は信頼できる医療施設をご紹介し、手術後は北山眼科クリニックで経過観察させていただきます。

緑内障

症状:眼圧の上昇により視神経乳頭が圧迫されて、見えない部分が出てきたり、見える範囲が狭くなったりする病気です。 ふだん両目で見ていると片方の目の異常には気づきにくく、気づいた時にはかなり悪化しているということが多いようです。 症状が進むと、視力が低下したり、場合によっては失明することさえあります。

対処:緑内障で一度失った視野や視力は回復せず、治療では進行を抑えることしかできません。 早期発見・早期治療のために、40歳を過ぎたら眼科で定期的に検査を受けるようにしましょう。

飛蚊症

症状:眼球内につまっている透明なゼリー状の硝子体に濁りができると、白い壁などを見つめた時に糸くずのようなものが浮かんでいるように感じることがあります。 このような症状は、蚊が飛んでいるようにも見えることから、飛蚊症(ひぶんしょう)と呼ばれています。

対処:ほとんどの場合は加齢によるもので心配いりませんが、網膜に孔(あな)が開く「網膜裂孔」や網膜がはがれる「網膜剥離」など、失明につながる緊急なケースもあります。飛蚊症に気づいたら、まずは眼科医にご相談ください。

眼精疲労

「目が疲れる」「目の奥が痛い」といった症状が頑固に続いたり、休息や睡眠によっても十分に回復せず、眼・身体・精神的に悪影響を及ぼすような状態が眼精疲労です。頭痛・肩こり・めまい・吐き気などの症状が現れることもあります。原因によって対策が異なりますので、お早目に眼科を受診してください。

眼精疲労の主な原因:

  • 屈折異常(近視・遠視・乱視・老眼)の進行や、メガネ・コンタクトレンズの度が合わないことによる目への負担
  • ドライアイ・白内障・緑内障など、目の病気による症状
  • スマートフォンやパソコンの長時間使用による目の使いすぎ
  • 精神的なストレス

眼科ドック(目の健康診断)

眼科を受診されるきっかけの多くは、「目がかすむ」「見える範囲が狭くなった」「ゆがんで見える」などの自覚症状が出てからです。 しかし、失明原因の第1位を占める緑内障のように、かなり進行しないと自覚症状が現れないことがあります。 眼底検査を行う人間ドックや健康診断もありますが、眼底の一部しか診ていないことが多く、眼の専門検査はほとんどありません。 当院では、眼の病気の早期発見を目的とした眼科ドックを行っています。

眼科ドックをお勧めしたい方:

  • 中高年の方
  • 糖尿病・高血圧・動脈硬化・偏頭痛のある方
  • 緑内障の血縁者がいらっしゃる方
  • 飛蚊症の方
  • 強度の近視の方

セカンドオピニオン

他の医療施設から:既に受診されている他の医療施設の診断や治療方法について、参考となる意見や判断を提供するセカンドオピニオンを可能な限りお受けしています。 セカンドオピニオンでは、新たな検査や治療は行いません。現在の主治医から提供される紹介状や検査データに基づいて行います。 患者さまご自身が、納得して決断されるためのお手伝いを目的として実施しています。

当院から:当院を受診されている患者さまが、他の医療施設でのセカンドオピニオンを希望される場合は、他の医療施設のご紹介も可能です。ご遠慮なくお申し出ください。

目がかゆい

症状:目のかゆみの原因は、ほとんどがアレルギー性結膜炎です。目をこすったり、かいたりしていると、痛みが加わりゴロゴロした感じになります。放置しておくと結膜が充血して、まぶたが腫れてきます。

対処:症状が悪化すると、白目がむくんでゼリー状(結膜浮腫)になることがあります。また、ウイルス性結膜炎や麦粒腫(ものもらい)など、他の病気の初期段階でかゆみを感じることもあります。かゆいと感じたら、お早目に眼科を受診してください。

目が赤い

充血の場合:かゆみや目やにが伴う場合は、アレルギー性結膜炎や細菌やウイルスによる感染が疑われます。黒目のまわりが一番濃く充血している場合は、角膜の炎症が疑われ、視力障害を伴うこともあります。お早目に眼科を受診してください。

真っ赤な場合:目に物が当たったり、刺さったり、外傷が原因の場合は、すぐに眼科を受診してください。
それ以外の場合は、結膜下の小さな血管が破れて出血する結膜下出血であることが多く、白目が血に染まっているように真っ赤になります。痛みや視力低下はなく、ほとんど無症状です。1~2週間で自然に治癒しますが、ご心配な時は念のために眼科を受診してください。

目がゴロゴロする

異物が入った場合:砂やゴミなどの固体が入った場合は、眼球を傷をつけないよう、こすらずに涙や目薬で洗い流します。 薬品や洗剤などの液体が入った場合は、すぐに水で洗い流します。痛みがある場合は、眼科を受診してください。

異物感がある場合:麦粒腫(ものもらい)、逆さまつ毛、、結膜結石(分泌物が石灰化したもの)が原因のことが多いですのですが、角膜に傷が付いている恐れもあります。違和感が続くようでしたら、眼科を受診してください。

目やにが出る

症状:少量の目やには正常な代謝によってできた老廃物で害はありません。黄緑色でドロっとした目やに、白くネバネバした目やに、目が開かないほど目やにが多いなど、異常が見受けられる場合は、細菌やウイルスによる感染が考えられます。

対処:感染予防のため、できるだけ目を触らないようにして、周囲の人に移さないよう心がけましょう。 自然治癒することは、まずありません。お早目に眼科を受診してください。

目が乾く

症状:涙の分泌量が少なくなったり、涙の質が低下して、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。目がショボショボする、目が疲れやすいなどの症状がみられます。

対処:涙は目の表面を潤すだけでなく、角膜や結膜の細胞に栄養を供給しています。ドライアイでは、目の表面の細胞に傷ができやすくなります。症状が軽い場合は、点眼薬で緩和させることができます。眼科医にご相談ください。

目が疲れる

症状:ぐっすり睡眠をとれば回復する「疲れ目」と、治らずに慢性化している「眼精疲労」があります。目が重い、目がショボショボする、目の奥が痛い、といった目の症状以外に、頭痛・吐気などを伴う場合もあります。

対処:眼の酷使、空調、近視・遠視・乱視・老眼による屈折異常、メガネやコンタクトレンズの矯正不良、ドライアイ、白内障や緑内障など、さまざまな原因が考えられます。自己判断せず、眼科医にご相談ください。

ものが見えにくい

症状:急に見えにくくなった場合は、緊急性が高いと考えてください。目や脳の血管が詰まる血液循環傷害や緑内障の発作が考えられます。

対処:頭痛・吐気・嘔吐を伴う場合は眼科以外の病院を受診されることも多いと思いますが、長時間放置すると視力障害が残ることがあります。お早目に眼科も受診してください。

見え方がおかしい

症状:直線が波打って見えたり、片目で見た時だけ小さく見えたり。視野が狭くなったり、かすんで見えたり。一部がよく見えなかったり、真ん中が黒く見えたり。

対処:緑内障や網膜剥離など、視野障害の病気が疑われます。放置すると失明の危険性もあります。違和感を感じたら、すぐに眼科を受診してください。

虫のようなものが飛んで見える

症状:白い壁などを見つめた時に糸くずのようなものが浮かんでいるように感じることがあります。 このような症状は、蚊が飛んでいるようにも見えることから、飛蚊症(ひぶんしょう)と呼ばれています。

対処:ほとんどの場合は加齢によるもので心配いりませんが、網膜に孔(あな)が開く「網膜裂孔」や網膜がはがれる「網膜剥離」など、失明につながる緊急なケースもあります。気づいたら、まずは眼科医にご相談ください。